Hyperthermia


梅雨があけ、いよいよ夏本番!というときに必ずニュースなどで話題になる熱中症。
「熱中症」という言葉はとても耳慣れてきましたが、詳細を知る人は意外に少ないようです。
発症する場所は海、山、学校、路上など様々で、毎年20人前後の死者がでています。
熱中症は縁がなさそうで、実は身近な病気です。「自分は大丈夫」と思わずに、まわりの人の
対処もできるようにしましょう!


[熱中症の症状]

「熱中症」は日射病や熱射病などの総称で、高温化での運動や労働により、体内の
水分バランスを崩すことで、発汗機能、循環機能に異常をきたすことで発症します。
熱中症には熱失神、熱疲労、熱けいれん、熱射病などがあります。
主な症状は以下のようなものです。(詳細は後述します)

・頭痛         ・発熱
・倦怠感      ・めまい
・吐き気      ・言語障害
・けいれん   ・失神


[発症する原因]

私たちの体には体温を一定にする機能がそなわっています。
体温調節は無意識に行なわれるので、普段の生活ではあまり気づくことはありませんが
外が暑くても寒くても、体温計の数値はほぼ同じですね。

一つは「汗」による発汗作用で行なっています。外気温が低くなると汗腺を閉じ体温が下がらない
ように調節し、外気温が高くなると汗腺を開き発汗することで体の熱を放出します。
更に汗は皮膚の上で蒸発し気化熱を利用して体温を下げます。

もう一つは「血液」による循環作用で行なっています。体内の温度が高くなると、表皮の血管を
拡張して皮膚表面に流れる血液を多く循環させることで、体表から熱を放出します。

しかし外気温がどんどん上がっていくと、これらの機能によって行なってきた熱を放出する効率が
下がり、更に湿度が高いと発汗しても蒸発しにくくなるので、気化熱を利用した放熱ができなく
なります。また、発汗により多量の水分が体内からでていくと、心臓や脳を守るために抹消の血管
を収縮させ心臓や脳を守る機能が働きます。これにより「血液」による放熱もできなくなります。


程度 症状 救急処置
軽症度
熱失神 めまい・失神

皮膚血管の拡張によって血圧が低下したため、
脳に流れる血液が減少しておこる。
顔面蒼白、脈は速く、弱くなる。


涼しい場所にねかせ、水分を
補給する。
足を高くし、手足を抹消から
心臓にむかって、血液を流す
ようにマッサージをする。


熱けいれん めまい・頭痛・倦怠感・吐き気

多量の汗をかいて体内の水分・塩分が不足する
ことでおこる。

涼しい場所にねかせ、水分を
補給する。
補給する水分はスポーツドリンク
のように塩分などの電解質が
適度に調整されているものを選ぶ。

中等度 熱疲労 めまい・失神・頭痛・吐き気などが合併

多量の汗をかいて体内の水分・塩分が不足する
ことでおこる。生命の危険がある熱射病の前段階
で、放置、誤った処置により発展することもある。

体温は平熱かやや高め。発汗はしている。

上記熱失神と同じ処置を行なう。
吐き気・嘔吐などで水分を補給
出来ない場合は病院などで点滴を
うける。
体温を高い場合は、水分を体に吹き
かけ、気化熱を利用し放熱させる。

重症度 熱射病 発熱・過呼吸・ショック状態・昏睡及び上記

上記の症状から発展し、体温調節機能に異常が
発生した状態。血液が凝固することで、脳や肺、
肝臓、腎臓などの臓器が傷害し生命の危険がある。
39℃を越える高熱、発汗はしない。
極めて緊急に対処が必要。救急車を
手配する。

その間の応急処置としては、上記を
行なう。体温を下げるために水分を
吹きかけたり、濡れタオルを体にあてる。
脇の下、首、腿の内側など大きな血管が
集中しているところを集中的に冷やす。
アイスパックなどが有効。



[熱中症にならないためには]

日本の夏は高温多湿ですので、熱中症の経験が一度もないという方でも、今年も大丈夫とは
残念ながら言い切れません。ではどのような事に注意をすれば、熱中症の危険を減らせるので
しょうか。

@ 気温が高いときの運動は避け、気温が下がる早朝、夕方に行なうなど時間を調整する。
A 運動をするしないに関わらず、スポーツドリンクなどで水分補給を欠かさない。
B 体調が悪くなったら、「大丈夫」と思わないで涼しい場所で休息と水分をとる。


[ 熱中症の盲点 ]          

熱中症、こんな方は特に注意です。周りの仲間にもチェックしましょう!

睡眠不足
夜の寝苦しさが原因で、睡眠不足、食欲不振になり体力が衰えている方。
二日酔いの方
内臓機能や体温の調節機能が弱くなっています。水分も不足がちになります。
お年寄り
体温調節機能が低下していて、且つ水分不足の自覚がないことが多いです。
ベビーカーの乳幼児
赤ちゃんは意思を伝えにくく水分が不足がちです。日よけをしていても
アスファルトやコンクリートの反射熱で発症することもあります。